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これまでの研究成果を紹介します!

地質・地球生物学講座惑星岩石学研究室に在籍している遠藤俊祐君(指導教員:Simon Wallis教授)の論文が日本地質学会論文賞を受賞しました!

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受賞者 遠藤 俊祐 (日本学術振興会特別研究員/受入教員:ウォリス・サイモン教授
受賞日 2011年9月9日
論文名 Endo, S. (2010). Pressure-temperature history of titanite-bearing eclogite from the Western Iratsu body, Sanbagawa Metamorphic Belt, Japan. Island Arc, 19, 313-335. doi: 10.1111/j.1440-1738.2010.00708.x
今回の受賞について一言
このような評価をいただき嬉しく思います.日頃よりお世話になっている研究室の皆様に感謝申し上げます.
受賞理由
三波川変成帯の変成岩類は沈み込み帯の深部で形成され,その圧力‐温度条件は多くの研究者により扱われてきたが,温度‐圧力経路については共通見解が得られていない.遠藤氏は解析例の極めて少ないチタナイト(Ttn)を含むCaに富む岩相に着目し,累帯するTtnの詳細な組成分析により,高圧変成岩の形成条件を見積もる新たな方法を示した.本論文で得られた圧力‐温度条件は,従来の研究結果や,遠藤氏が別の手法で示した結果と整合的であり,新たに開発された方法の妥当性を示唆する.また減圧時,つまり上昇時の温度増加を強く支持し,高い温度勾配で生じた緑簾石‐角閃岩相がエクロジャイト変成作用に先立つことも示した.これらの成果は三波川変成帯における高圧変成岩類の形成条件と沈み込みとの関係を究明する上で貴重である.以上,本論文は変成岩岩石学の研究として新規的で優れており,地質学会の論文賞に値する.(授賞理由書より抜粋)