学部生・院生からのメッセージ

安藤佑介 2008年度・博士課程1年 



私の場合

<講座を選んだ理由>

 私が生物圏進化学研究室を選んだ理由ですが,子供の頃瑞浪市松ヶ瀬町の野外学習地で化石を取ったことで古生物という分野に興味を持ちました.その後,大垣市の金生山や師崎での化石採集の経験,また小学6年の夏休みの自由研究で化石の研究成果(と言っても名前を調べるだけですが)を地域の科学発表会で発表した経験から古生物学者を目指すようになりました(卒業式では古生物学者になって貝化石などの研究をすると公言した←ませた小学生だった).

 そういうこともあって,早いうちから大学院への進学を考えていましたが,どの大学に行くかまでは考えてはいませんでした.行き当たりばったりで学部の時は名城大学にて花粉化石の研究をしました.熱意を持ち,1年生から研究室に入り浸り(笑)学部の時は花粉漬けでした.そして,転機が・・・

 たまたま非常勤講師でいらした今の指導教官である氏原先生の講義を受講し,先生の研究されている「翼足類化石の不思議さ,面白さ,化石の研究者が少ないことによる研究できる余地,などの魅力からここで研究をしよう」と思ったのがきっかけで名古屋大学大学院環境学研究科1本に絞りました.私がここを目指そうと思ったきっかけです.あまり進学について悩まなかったため参考にはならないかもしれませんけどね.


大学院生の生活

 大学院に入学することを「入院する」と冗談で言ったりします.あくまでもたとえですが,自分を見つめなおす,スキルを上げることによって自分を調整し直してから社会に出るという点では遠からず近からずかもしれません.ではどのような生活が待っているのか簡単に紹介しましょう.

<研究活動>

 表題のままです.自分の研究分野を決め,修士課程の場合は修士論文を,博士課程の場合は博士論文作成に向かって日々研究をします

 特に生物圏進化学研究室の場合は野外調査を主体とする研究が多いため野外に1ヶ月出かけたまま,ということも珍しくはありません.また,データがそろったところで学会発表用にポスターやパワーポイントを作成します.また,講義やセミナーに出ることも知識を増やす点で立派な研究活動です.化石をはじめとする地球科学分野は対象が地球のため世界中の様々な情報を把握しなければなりません.そのため時には英語の論文を読んで発表することもあります.英語の学習も必要な活動です.

<教育活動>

 学部の方は実験中に大学院生がお手伝いをしている光景を良く目にすると思います.これはT.A.(ティーチング・アシスタント)といい,簡単に言えば,「学生が講義をする先生の際の手伝いをする」わけです(そのままですね).一応お金がもらえますが,それ以外にも教えることの楽しさ,大変さなども実感できます.

 私の場合はT.A.業務の他に岐阜県のある化石博物館の夏の体験学習の講師なども務めています.小学生〜中学生を対象にしたいわゆる教育普及活動を行っているわけです.これが意外と難しい.どこまで教えるのか,どの程度理解をしてもらえばいいかなど非常に悩ましいです.学校教育とはまた違った難しさを実感しています.このように教育活動といっても大変奥が深く,様々な経験をします.教える側に立つことによって分かることもある,です.


研究について(生物圏進化学研究室のPR)

 
私たち生物圏進化学研究室では微化石,大型化石だけではなく,地球化学的な手法を用いた古環境解析や現生生物の研究.DNA研究の手法を用いた系統解析など「生物」を用いた様々な研究をすることが出来ます

 
加えて業績や各自の研究紹介(井龍教授氏原准教授林講師須藤助教)を見ても分かる通り,各々の分野において第一線で活躍されている先生方が非常に丁寧なご指導をして下さいます.

 上記の特徴から私たちは化石だけでなく,
環境学,生物学的な研究を希望する学生も大いに募集しています.また,学部時,全くこれらの分野に携わっていない学生も興味や,やる気がある方でしたら大歓迎します.


大学院へ進学することへのメリット

 
大学院で研究活動を行うことのメリットはいくつかあります.

自分の研究分野について深い知識,新しい知見を得る

 環境学研究科について言えば,同研究科は様々な分野(理学工学経済学・心理学など)の研究室から構成されているため様々な特色ある講義が展開されています.もちろん1つの知識を深めることも可能です.

・研究者,職業人としてのスキル向上

 
私たちの研究室は学会発表や学会誌への投稿に非常に積極的に動いています.学会で発表することによってプレゼンテーション能力の向上同じ分野の仲間=横のつながりが出来ます.学会誌への投稿によって業績が上がるだけではなく,文章力の向上など研究者にとって必要なスキルの向上が期待できます.


他大学から名古屋大学大学院を目指す方へ


<はじめに>

 私も他大学から名古屋大学大学院環境学研究科を受験しました.確かに,学部から名古屋大学にいる学生とは様々な点で不利です.しかし,名古屋大学大学院の特徴は学部からの進学者とほぼ同じ人数の他大学出身者がいるということです.また,はじめに書きましたが学部と大学院で全く異なった研究をしている方もいます

<受験対策>

 たぶん他大学からの受験の場合,進学後の生活よりも果たして受かるのだろうか?進学後の講義についていけるのだろうか?という心配があると思います.進学後については努力次第といっておきましょうか.

・情報をあつめる

 漠然と名古屋大学に行きたいというよりも研究や環境などの理由を見つけなければなりません.手っ取り早いのはHPを見ること.しかし中にはHPの更新が怠っていたりする研究室もあります.そこで「研究室に直接訪問してしまう」という方法があります.


・研究室訪問


 これは早い時期がいいと思います.大学院進学希望者はほぼ全員が行っています.研究室を訪ね,どのような先生がいるのか,どのような研究ができるのか,これらのことは直接聞くのがはやいと思います.

・過去問の研究

 大学受験と同じで,大体傾向は決まっています.環境学研究科の場合は過去の問題をHP上で入手できます.



一人でも多くの学生が生物圏進化学研究室に興味を持ち,いらっしゃることを心よりお待ちしております.



河邑圭太 2008年度・修士課程1年
 



私の場合

<学部・学科を選んだ理由>

 名古屋大学理学部は,学部一年生の時には学科ごとに分けられておらず,二年生に進級する時に学科に配属されるようになっています.私は名古屋大学理学部に入学した当初,物理学科もしくは化学科に行きたいと考えていました.それは「高校で物理と化学をとっていたから」という単純な理由からでした.しかし,物理・化学・生物などの様々な講義を受けていくにつれて自分が本当に興味をそそられるものがおぼろげながら見えてきて地球惑星科学科への配属を希望し,幸運にも希望通りに配属されることができました.


<学科配属後>

 地球惑星科学科に配属されてすぐは,地学を勉強したことがないために授業についていけるかどうか不安でした.しかし,この学科に来る人の中で高校の時に地学を勉強したこのある人は稀で,最初からどれだけの知識があるかということはあまり関係なく,どのように講義を受け,いかにして地球科学を理解していくか,ということの方がよほど重要だったと思います.

 講義には様々なものがあり,地質学・惑星物理学・地球化学などの地学に関連するものを中心に,物理学・生物学・化学,時には数学というように,多岐にわたる地球に関係する分野を学ぶことができます.そして他の学科にはない特徴として,野外へ調査に行くという授業もあります.
外に出て自然と触れ合うのが好きな人には,まさにうってつけの学科だと思います.

<研究室を選んだ理由>

 研究室に関しては,地球に関係した物理学(例えば,地球惑星物理学講座地球惑星ダイナミクス講座)をやっているところ,化学をやっているところ(地球化学講座)などがあり,私は卒業研究を行うにあたっていろいろな人の話を聞き,授業を受けて地球に関係した生物学をやっているこの研究室,生物圏進化学研究室を選びました.

 どの研究室にも魅力を感じたのですが,「生物の進化のしたたかさに関心を持つようになり,自分の手で研究をしてみたいと思うようになった」というのがこの研究室を選んだ最大の理由です.

<現在>

 私は現在修士一年生で,卒論の時よりも少し大きなテーマで研究ができることになりました.自分に結果が出せるのかといった不安もありますが,研究の面白さに飼いならされつつある現在,期待とやる気が少しずつ芽生え始めています

 また,大学院の講義は今までよりも格段に専門性が高く,また,施設見学や野外実習を取り入れている講義もたくさんあり,今まで以上に楽しく勉強しています.自分の所属する研究室の先生・先輩はもとより,地球環境学専攻内のほかの研究室の人たちと,研究や将来についてなど非常に参考になる話から,世間話の類まで幅広いお話を聞かせてもらいながら,大学院生生活を精一杯満喫しています.


生物圏進化学研究室へのお誘い

 ぜひ,
化石に興味のある方,生物の進化に関心がある方はこの研究室に来て欲しいと思います.

 生物圏進化学研究室に来て一緒に研究ができるのなら,とてもうれしく思います.

 また,
地球科学に少しでも興味のある方や,ご自身がどういった分野を研究したいのかまだ決めあぐねている方は,ぜひ地球惑星科学科でいろいろな分野に触れて欲しいと思います.幅広い分野を扱っている地球惑星科学科なら,きっとあなたに合った研究を見つけることができるでしょう.



「教員からのメッセージ」
「卒業生の進路」





 TOP PAGEに戻る

安藤佑介(2008年度博士課程1年)河邑圭太(2008年度修士課程1年)