この実習では以下の要領で成績を評価します.
この授業では,プログラミング言語の習得を目標とします.習得すると何ができるようになるのでしょうか? 大きくわけると二つのことができるようになります.
私が最近行った数値シミュレーションの例と研究の背景を下に示します.
研究の背景:「原始惑星系円盤」とよばれる、原始太陽の周囲を取り囲む円盤の中で惑星は形成されます。円盤に含まれる「ダスト微粒子」が何らかのメカニズムで集合する必要があるのですが、そのメカニズムはまだわかっていません。古くから、「重力不安定説」「直接合体説」と二つの有力な仮説があるものの、未だ混迷をきわめています。
そこで、ある程度に大きくなった氷ダスト微粒子集合体の熱的進化を数値シミュレーションしました (Sirono 2011, ApJ 733, L41)。 結果はこのようになり、氷微粒子集合体は始め結合部が太くなり、最終的には一つの大きな球になることがわかりました。このことから、直接合体ではある程度の大きさまでしか成長ができず、重力不安定が必要であることが示唆されます。
ある程度まで成長した氷ダスト微粒子集合体はガスからの抵抗力によって太陽に落下します。落下して温度が上昇すると、氷が昇華してシリケイト成分だけ取り残されます。昇華したガス圧の関係で、シリケイト成分は氷の昇華領域に集まり、重力不安定が引き起される程度まで密度が上昇します。
重力不安定が発生する密度に到達した時のダスト密度分布。小図:最大ダスト密度の時間進化。
プログラムは「エディタ」とよばれるアプリケーションで作成します。エディタとは、文字列のみ作成できるもので、ワード等のワープロとは根本的に異なります。この授業では、Mac OS Xに標準で搭載されている「テキストエディット」を用います。
以下の要領でテキストエディットの準備をしてください。
すると、テキストエディットが起動して文字列の入力が出来るようになります。ただ、今後の便利のために以下の設定をおこなってください。画面上の「テキストエディット」から「環境設定..」を開きます。以下の設定をしてください。
の一行を書きこんで保存してください.テキストエディットを一度終了し,再度起動すると設定が反映されます.
昔は大型コンピュータ(メインフレーム)で作業をしていました.本来はそこにある専用端末で操作をするのですが,それは面倒ですから手元にあるコンピュータで作業をしたいと考えます.そこで専用端末を模擬したソフトウェアを手元のコンピュータで動作させ,まるでメインフレームの専用端末を使っているのと同じ環境を実現するのが端末エミュレータです.
本実習ではXターミナル(xterm)を使います.画面一番下にXと書いてあるアイコンがあります.一度クリックしてください.
本実習でははコマンドを入力することによってプログラムを動作させます.し たがっていくつかのコマンドを覚える必要があります.また,データが格納され ている構造を知っておく必要があります.
本実習でとりあえず覚えてもらいたいコマンドは以下の通り:
pwd | いま自分がいるディレクトリ名の表示 |
---|
cd ディレクトリ名 | ディレクトリ間の移動 |
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cd Mail | Mailディレクトリに移動 |
cd ../ | 一つ上のディレクトリに移動 |
mkdir ディレクトリ名 | ディレクトリの作成 |
---|---|
mkdir hoge | hogeディレクトリを作成 |
rm ファイル名 | ファイルの削除 |
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rm hogehoge | ファイルhogehogeを削除 |
ls | ファイルのリスト表示 |
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毎週必ず行なう手順を示します.
こうしておくと後で見返すことが容易にできます.
次のプログラムを書いてみましょう.example.fという名前でさきほど作成したディレクトリの中に保存してください.
c program 12/10/04 implicit none real*8 a,b,c a=1.D0 b=2.D0 c=a+b write(6,*) a,b,c end
まず覚えてほしいフォートランのきまり:
さて作成したプログラムはこのままでは計算機は理解できません. 実行形式(バイナリ)に変換する必要があります. この操作をコンパイルと呼びます. コンパイルはエディタ上ではできません. Xターミナル上で入力します.
g77 example.fで行われます.するとa.outと言うファイルが作成されます.以下のコマンドで実行してみましょう.
./a.out
c program 2 12/10/04 implicit none real*8 a,b real c integer n a=2.1D0 b=2.1 c=2.1 n=2.1 write(6,'(D24.16,1x,D24.16,1x,D24.16)') a,b,c write(6,'(I3)') n endモニタ上の表示はどうなったでしょうか? 何桁目まで正しく表示されていますか? nの表示はどうなっていますか? 再度注意点をまとめると:
c program 2 12/10/04 implicit none real*8 a,b,c,d a=1.D0 b=2.D0 c=a+b read(5,*) d write(6,*) d write(6,*) a,b,c endと変更して実行してみよう.
open(1,FILE='test.dat')を追加してください. こうするとその後write(1,*)とすることによりtest.datに結果が 出力されます.番号に6(モニタ),5(キーボード)は使ってはいけない.これは標準入出力の番号である.
この実習ではメールのやり取りにThunderbird(サンダーバードと読む)を使います.使う前に初期設定が必要です.メールソフトThunderbirdの設定方法を見て、初期設定を行って下さい.
初期設定ができたら,城野、諸田あてにメールを出してください. アドレスは:sirono@eps.nagoya-u.ac.jp,morota@eps.nagoya-u.ac.jp です.
作業が終わったら必ずログアウトすること.次の人が使えません.
左上のアップルマークをクリックするとメニューが表示されます.その中から ログアウトを選択してください.
レポートは毎回とも城野,諸田、前島にメール で送ること.二人以上に同時にメールを送るときは sirono@eps.nagoya-u.ac.jp,morota@eps.nagoya-u.ac.jp,maeshima@eps.nagoya-u.ac.jpとコンマをつけて並べれば良い.
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