[2.0]配列にデータを格納
1.D0
2.D0
3.D0
4.D0
5.D0
と縦に並んだデータをファイル(retsu.datとする)から読み, 配列a(5)に格納するプログラム例:
implicit none
integer i
real*8 a(5)
open(1,file='retsu.dat')
do i=1,5
read(1,*) a(i)
write(6,*) a(i)
enddo
end
1.D0 2.D0 3.D0 4.D0 5.D0
と横に並んだデータをファイル(gyou.datとする)から読み, 配列a(5)に格納するプログラム例:
implicit none
real*8 a(5)
integer i
open(1,FILE='gyou.dat')
read(1,*) (a(i),i=1,5)
write(6,*) (a(i),i=1,5)
end
[2.1]二次元配列
配列の要素を指定する番号は複数あってもよい. 二つになると二次元配列となり, 三つになると三次元配列となる. FORTRANでは7次元の配列まで使用可能である.
二次元配列の宣言:
宣言文 配列名(寸法の下限:寸法の上限, 寸法の下限:寸法の上限)
例1
real*8 a(10,10)
a(1,1)からa(10,10)まで要素を100個持つ倍精度実数型二次元配列を宣言
例2
integer i(2,-1:8)
i(1,-1)からi(2,8)まで要素を20個もつ実数型二次元配列を宣言
[2.2]二次元データの読み取り
以下の数値をファイル matrix.dat にコピーし, それぞれの数値を二次元配列a(2,3)に格納するプログラムを作成せよ. 確認のため画面に値を表示させること.
1.D0 2.D0 3.D0
4.D0 5.D0 6.D0
[3.1]行列を取り扱う際のポイント
- 値は一つ一つループを使って代入すること
- 演算も要素ごとに行うこと
- 数式と同じようにプログラムを組むこと
二次元配列を使ったプログラム例:
integer a(5,5),b(5,5),c(5,5),n
n=0
do i=1,5
do j=1,5
n=n+1
a(i,j)=0
b(i,j)=n
enddo
enddo
do i=1,5
do j=1,5
c(i,j)=b(i,j)
enddo
enddo
do i=1,5
write(*,*) (a(i,j),j=1,5)
enddo
do i=1,5
write(*,*) (b(i,j),j=1,5)
enddo
do i=1,5
write(*,*) (c(i,j),j=1,5)
enddo
end
[3.2]行列の掛け算
2.D0 3.D0 4.D0 1.D0 2.D0 3.D0
5.D0 6.D0 7.D0 4.D0 5.D0 6.D0
8.D0 9.D0 10.D0 2.D0 4.D0 6.D0
上の二つの3行3列の行列をそれぞれ hai1.dat,hai2.dat とする.
- ファイルから数値を読み込み,それぞれ配列a(3,3),b(3,3)に値を格納しなさい.
- それぞれの行列の対角和を求めなさい.
- この行列の掛け算を行い,結果を画面に出力するプログラムをつくりなさい.
プログラム中で同じ処理を何度も行いたい場合がよくある.そのたびごとに同
じプログラムを何度も書くのは馬鹿げている.同じ処理はサブルーチンとして
別のユニットにしておくと都合がよい.
主プログラムと独立に次のように書く. subroutine文以下endまでがサブルーチンである.
c main program
implicit none
real*8 d(10),f,g
......
call S(f,g,d)
......
end
subroutine S(a,b,c)
implicit none
real*8 a,b,c(10)
......
......
return
end
サブルーチン文 |
S(a,b,c) |
サブルーチンの定義をおこなう |
S |
サブルーチン名:英文字で始まる6文字以内の英数字 |
a,b,c |
仮引数:使う変数は型宣言すること |
call 文 |
call S(f,g,d) |
サブルーチンを呼び出す |
f,g,d |
実引数:仮引数と順序, 型を一致させる必要あり |
サブルーチンはend文で終わらなければならない.サブルーチンから主プログラムに戻る場所では
return
を書く.return文は何個あってもよい(endは一個:end文のみでreturn文がない場合はendで呼ばれた場所に戻る).それでは次のプログラム
を入力して実行してみよう.
プログラム1
c main program
implicit none
real*8 a,b,c
a=1.D0
b=2.D0
call wa(a,b,c)
write(6,*) c
end
c subroutine
subroutine wa(a,b,c)
implicit none
real*8 a,b,c
c=a+b
return
end
呼ぶ方(call wa(a,b))と呼ばれる方(subroutine wa(a,b))の引数は順序,個数,型を一致させなければならない.逆に言うと,引数の個数,型が一致していれば名前は違っていてもよい.サブルーチンを使う場合は, サブルーチンとの変数, 配列のやりとりに注意すること.
どれが入力でどれが出力かを頭にいれてプログラムを作成すること.
次のプログラムは何をするのか考えてみよう.
プログラム2
c main program
implicit none
real*8 a,b,c,d,e
a=1.D0
b=2.D0
d=3.D0
e=4.D0
call wa(a,b,c)
write(6,*) c
call wa(d,e,c)
write(6,*) c
end
subroutine wa(a,b,c)
implicit none
real*8 a,b,c
c=a+b
return
end
練習問題1
以下のプログラムを正しく修正せよ.
c 1-1
implicit none
real*8 a,b
a=1.D0
b=2.D0
call wa(a,b)
write(6,*) b
end
subroutine wa(a,b,c)
implicit none
real*8 a,b
b=a+b
return
end
c 1-2
implicit none
real*8 a,b
a=1.D0
b=2.D0
call wa(a,b)
write(6,*) b
end
subroutine wa(a,b)
implicit none
integer a,b
b=a+b
return
end
c 1-3
implicit none
real*8 a(2),b
a(1)=1.D0
a(2)=2.D0
b=0.D0
call wa(a,b)
write(6,*) b
end
subroutine wa(a,b)
implicit none
real*8 a,b
b=a(1)+a(2)
return
end
練習問題2
プログラム1-2を修正し, 二つの数の積を計算するサブルーチンを書き加えよ. これを用いて変数a,bの積(答えは2.D0)を算出せよ.
練習問題3
- n!を計算するサブルーチン subroutine fact(n,ans)(ansは答えの整数)を作成せよ.
- n個のものからm個のものを取り出す組み合わせの数 nCmを計算するサブルーチン subroutine comb(n,m,ans) を作成せよ.
- 二項定理によると,f=(x+y)**nは
(x+y)**n=ΣnCm x**(n-m)y**m
となる.nCmを求めるサブルーチンを用いてfを計算するプログラムを作成せよ.x=0.3,y=0.7,n=10として実行し,結果が1.0になることを確かめよ.