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2012年11月7日(水)14:00-16:00 東大小柴ホール
マントル掘削プロジェクト特別シンポジウム
ウォルター・H・ムンク教授特別講演
主催:マントル掘削推進研究者一同
協力:東京大学,東京大学大気海洋研究所
J-DESCJAMSTEC/IFREEIODP-MI

海とちきゅうのフロンティア
〜ウォルター・H・ムンク教授特別講演〜

講演会案内講演会報告書

2012年11月12日更新


ムンク教授(95),伊勢志摩の横山の展望台にて(2012.11.3)

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シンポジウムの様子(2012年11月7日)


森下知晃教授(金沢大学)による開会の挨拶


道林克禎准教授(静岡大学)によるムンク教授の紹介



モホール計画について語られるムンク教授.


会場は多くの学生・研究者・一般の方々で盛況でした.


Holly Givenさん(右)からの問いかけに答えていく対話形式でご講演.
中央やや後方に通訳担当の冨永雅子さん(ミシガン州立大学)


海野進教授(金沢大学)による最新のモホール計画の紹介


講演会直後,ムンク教授を囲んだ集合写真(2012.11.07)解像度が高いです
懇親会の様子

ウォルター・H・ムンク教授 (Walter H. Munk)
海洋学者
カリフォルニア大学スクリップス海洋研究所


Attribution: Holger Motzkau, Wikipedia/Wikimedia Commons


ムンク先生を知るならコレ!2010年刊行
こちらで立ち読みできます

11月7日(水)14:00-16:00

場所:東京大学小柴ホール アクセスマップ

入場:無料,開場:13:00-

マントル掘削プロジェクトグループは11月7日(水)に東京大学小柴ホールにて「海とちきゅうのフロンティア」シンポジウムを開催いたします.

本シンポジウムには,50年前のモホール計画の発案者にして海洋物理学の権威であるWalter H. Munk教授(スクリプス海洋研究所)を招聘いたします.教授は,来日時95歳とご高齢ですが,心身ともにご健在です.京都賞受賞セレモニーに出席する前に東京大学小柴ホールにお越しくださり特別講演をしていただけることになりました.マントル掘削にかかわることばかりでなく,教授のご専門である海洋物理学全般からの内容になる予定です.

司会:道林克禎(静岡大学)

14:00-14:05 開会(森下知晃教授・金沢大学)
14:05-14:25 Munk教授の業績とマントル掘削との関わり(道林)

14:25-15:45

Walter Munk教授講演
(対話形式)
聞き役:Holly Given博士
通訳:冨永雅子博士
  (ミシガン州立大)
15:45-16:05 現在提案している「ちきゅうによるマントル掘削プロジェクト」の紹介
海野進教授(金沢大学・マントル掘削推進研究者代表)
16:05 閉会
   
18:00-20:00 Munk教授との懇親会
 場所:学士会館


本シンポジウムはIODP掘削提案フィジビリティ研究の支援を受けています.


49歳当時のMunk教授
Photo by Ansel Adams in 1966

主な受賞と栄誉
1965年 アーサー・L・デイ・メダル (アメリカ地質学会)
1966年 スベルドラップ・ゴールドメダル (アメリカ気象学会)
1968年 英国王立天文学会ゴールドメダル
1989年 ウイリアム・ボーウィメダル (アメリカ地球物理連合)
1999年 京都賞(基礎科学部門)
2010年 クラフォードメダル(スウェーデン王立科学協会)

ムンク教授は,50年余にわたり,海洋物理の多くの優れた先導的研究を行い,海洋科学に大きな影響を与え続け,その発展に多大な貢献をされました.

教授の業績は多数に及びます.例えば,黒潮など世界の主要な海洋大循環が海上を吹く風で駆動し,地球自転の効果と水平乱流を通した陸岸摩擦の効果で決まることを示され,観測された風の分布にもとずいて,亜寒帯寒流から赤道海流に至る現実の海流分布を見事に説明されました.また,大気や海洋の運動の影響による地球自転の不規則性を初めて明らかにするなど,この問題の研究に新時代を開き,著書「The Rotation of the Earth (1960)」はこの分野の必読の書となっています.

教授の研究対象は固体地球物理学にも向けられており,「モホール計画」として知られる海底掘削による地球マントルのサンプリングを提案されました.ここから現在の統合国際深海掘削計画(IODP)まで続く一連の国際的なプロジェクトに発展しています.そしてモホール計画は,日本が誇る地球深部探査船「ちきゅう」の誕生によって実現に向け大きく前進しています.