第4回レポート集(質問に対する答え方編)
<<質問に対する答え方>>
(質問に答える前に...)
・ 質問者の質問の意図をさぐる.
1.まず質問の際,内容について質問者がどう思っているのかを
判断する.
(1)内容に対し疑問(反対意見)をもっている.
(2)内容に対し純粋に興味をもっている.
(3)内容に対し同感(同意見)である.
(4)内容を理解していない.
2.1をもとに質問者の質問(Why?,How?,What?)の意図
を探る.相手の頭の中は1の(1)から(4)のどれか,ある
いはそれらの組み合わせにあてはまるはずで,各々の場合に
対しWhy?やHow?という形の質問が存在すると考えられる.
だから全く同じ内容の質問をされたときでもそれに対する答
え方(説明の詳細の程度,説明の順番,説明に用いる話題な
ど)は異なってくる.どうしても(1)から(4)のどれに
あてはまるかがわからないときは実際に「質問の意図がよく
わからないのですが」と問い返してみて判断するのも1つの
手である(この場合は時間もかせげる).
・ できれば質問者の専門・得意分野がわかるとよい.
質問者の専門・得意分野の例を引き合いに出して質問に答えるの
は得策ではないからである.解答者の方が中途半端な知識しかな
いので,さらに突っ込まれて墓穴を掘る恐れがある.
(質問に答える)
・ 理想的に,「質問に答える」とはどういうことか?
質問をされるといつでも不意をつかれたと思うことはしばしばである.
それは解答者が考えもしなかったことを言われるからである.そのと
き,解答者は「勉強になった」とふつうなら思う.それはある意味で
解答者が自分自身を外からみることになるから解答者は「いじめられ
る」ということにもなる.「質問に答える」とはもちろん質問者の疑
問を解決することであるが,理想的にはそれ以上でありたい.それは
解答者が質問者の疑問を解決するだけでなく,逆にその質問者に対す
る解答者の疑問,質問者の質問の弱点などを質問者に示すことである.
それは解答者が逆に質問者を「いじめる」ことにもなる.そういう状
況は発表内容及び解答者自身への新たな興味・関心を質問者に呼び起
こすきっかけにもなりうる.また,質問者に対してだけでなく周囲の
人に対しても解答者の強いアピールになるし,解答者の発表内容をよ
りよいものにみえるようにする効果もある.(ただ質問者の闘争心に
まで火をつけて質問の雨を受けてしまう恐れもある).
・<質問に答えるテクニック及び注意点>
質問に答えるテクニックを考える目的は一貫している.それは「いかに
時間をかせぐか」と「いかに質問者をだますか(答えをはぐらかすか)」
である.いくつか私なりの例を挙げる(上記でもいくつかは示した).
「いかに時間をかせぐか?」
・ 質問の内容について詳しいと思われる他の(セミナーなどの)参加
者を巻き込む.つまりその人にちょっとした確認などの質問などを
ふることによって,その人が答えている間にはじめの質問に対する
解答を考える.その人から重要なヒントが得られるかもしれないし,
場合によっては(運よく)その時に答えが出ることもある.
・ 例えば「その質問についてはこの後の説明の過程でお答えします.」
といって,次の説明に移り,その間に考えて適当な所で答えを出す.
・ 笑いをとって(とれない人はつらいが)その場がざわめく間に答え
を考える.
・ OHPを使っているときは質問に関するOHPがあるかのように振る舞い
しばらく探す振りをする.その間に答えを考える.答えがわかった
ら,「すいません,OHPが無いみたいなのですが...」と前置き
して質問に答える.
・ 逆に「あなたはまずどうお思われますか?」と問い返し,質問者が
答えている間に答えを考える.
・ 質問(指摘)された内容がいろいろな点で非常に重要であることを
述べながら,その間に答えを考える.「その質問は今回の結果を考
える上で非常に重要でして...」
「いかに質問者をだますか(答えをはぐらかすか)?」
・ 質問に対する答えに一般論をちらつかせる.そうすると,解答者自
身の研究による結果ではないから,それに対する責任はない.自分
の考えとして答えると墓穴を掘ることも.つまりくわしく理由など
細かいことは述べない.「…という方法が一応一般的なんです.」
・ 自信ありげにかつ大げさに答えること.まちがっていても間違って
いるように聞こえない.この講座にもこういう人がいるような気が
する(小心者はつらい).
・ 発表のときには内容以上のきれいな絵(図)を用意しておくことも
賢明.内容が乏しくても質問のときその絵(図)を出せば,なるほ
どと納得させられることも.つまり絵でだます.
補足
・ どうしてもというときには「検討してみます.」などとのりきる方
が良い.どうしてもわからないのにわかっているかのようにふるま
うのは非常に危険.それ以上突っ込まれたらおしまいである.これ
は最後の手段かもしれない.
・ 答えるのがむずかしい質問をされても,「よくわからないのですが.
..」と前置きしつつも,自分なりの(まちがっているとしても)
意見,考えを述べることによって質問者に懸命に答えようとする努
力や誠意を示す.そして理解を求める.このような姿勢というのが
質問のやり取りにおいて最も大事なことかもしれないと最近思う.
青木@地物M2です。遅れましたが、質問の答え方を提出いたします。
0.質問に答える前に
質問に答えることは、相手が何を聞きたいのかを知ることから始まります。
質問の意味がわからなかったら問い返してわかるようにします。
質問の意味がわからずに適当に答えるのは、自分にとっても質問している
相手にとっても、それを聞いているほかの人にとっても不幸です。
質問している人の方でも、何を聞きたいのかはっきりせずに
手を上げる人もいますから、焦点をはっきりさせましょう。
1.青木が一番難しいと思う質問
どんな話にはも起承転結がありますが、学術的な講義や講演は
次のような流れになっています。
----
(1)問題の背景の説明 |動|
|機|
(2)問題の提起 | |
|哲|
(3)問題の分析 |学|
|?|
(4)結論 | |
----
(1)-(4)の流れの中で、どこにおいても様々な質問が来ると思います。
ですが、聴衆が一番聞きたいのはその話を貫く思想、言い換えると
そんなことを話す動機だと思います。
「この話のどこが面白いのか?どうしてこんなことを研究しているのか?」
という質問は、どんな話に対しても問えますが、それだけに
一番答えにくく思えます。
「どこが面白いの?つまんないじゃん」と言われてしまったら
「こんなに面白いです。」と言い返せる自分をつくる、
どうつくるかといえば 「日々、自分に厳しく」(by 山本先生)です。
動機への質問に対しては答え方のテクニックがあるとは思えません。
ここがこんなに面白いですと素直に答えましょう。
2.言葉の定義の差異が原因の質問
自分が使った言葉が、違った意味にとられているがために
質問されることもあります。
普段自分が使っている意味ではないことに気づくのは難しいですが、
自分の場合の定義を明らかにして納得してもらいましょう。
「あなたの定義だと、こうなりますね」と言えたら最高です。
「あなたの定義だとどうなるんでしょう?」と逆に質問するのも
いいと思います。
3.証拠に対しての質問
どうしてそうなるの?という質問に対して、この図からそうなります
と答える場合、次に「どうしてそういう図になるの?」と聞かれるのは
目に見えています。
問題の分析や結論の場面で、図や表を使うことはたくさんありますが、
聴衆が見たいのは見えている図や表ではなく、それらから導かれる
見えていない事柄です。
そのような図になる理屈をいいましょう。
問題、結論はわかったけど、そうなる過程がわからないという質問
もあると思うので図や表の使い方は非常に重要です。
4.結論に対しての質問
結論に対して「要するにこういうことなの?」
または「言い換えるとどうなの?」という質問が来ると思います。
自分の見方しかできないときはとても難しい質問ですが、
「黙らないこと」が重要です。
みんなの前でブツブツいいましょう。
ブツブツ言うことが引き金になって他の聴衆も巻き込んだ活発な
議論になったら大成功です。
以上です。
なべ会原稿:主旨があんまり分かっていない
川田佳史
質問のされ方
事前準備
質問されるには,当然,質問される場にいるということが想定されている.
そのためには,質問される準備が必要である. そして,質問される場に行く
までに,やっておくことはたくさんあるのである.
・言葉の曖昧さが悲劇を招く
本当の相対主義を徹底すると,意味の共有が不能になる.
単語にはその場その場で厳密な定義が与えられねばならない.
・問題には物語がある
問題にはストーリーが存在している.
その物語を語り聞かせるのがセミナーであり学会発表なのである.
・ハガキ1枚分の量で説明ができる
かのHeisenberg先生も言うように,どんなに高尚な理論でも
ハガキ1枚にまとめることができるのである.
・研究には常に一歩先のことが存在する
今語っていることは、少し前の「最新」に過ぎない.
お話には、もっともっと続きがある.
小噺:
昔あるところに、Pauli先生っていうとっても怖いおじさんがいました.
Pauli先生がある論文を読んで言うには
「こんなに詰まらん論文はない.この論文には間違いが1つもない!」
実践篇
何かしゃべると,すぐに「質問」が飛んでくる.
質問にはいろいろな種類のものがある.簡単なものから, とても答えられ
ないようなものまで...
多分,すべての質問に答えられる法則のようなものは存在しないのだと思
う. あるのは,注意事項のみ.あとは現場で鍛えるしかない.
・yesかnoで答えられる問いにはyesかnoで答える
この,実に簡単なことが出来ない人が実にたくさんいることか!
もっとも, この種の質問の次には本来の質問が来ることが大体なので,
相手のペースに乗らないとがんばっているのかも知れない. しかし,
その努力は会話の成立を困難にしていることだけに貢献していること
に注意せよ.
・質問者を誘導して,自分の軌道も修正
問う者--問われる者の間で会話が成り立っていないことがよくある.
これを避けるためには,何を聞きたいのかをはっきりさせることが重
要である. まず大枠を確認,次に各論に移る.議論では,その場その場
で相手の理解を確かめつつ,話をしていくのが良い.
・あなたの話には,常にある範囲での妥当性がある
仮定の妥当性を問われることが多い.
常識的に言って,科学的な物言いには常になにがしかの仮定が入る.
仮定の妥当性を理解しておけば,この種の質問には苦労しない.
小噺: 質問者「その仮定っていいの?」
解答者「全然だめ」
・その研究やってなにがうれしいの?について
「嬉しい」という単語はときとして「発展性がある」という意味で
使われるらしい. 研究をやっていく上では,常に先(発展)を考えて
いないといけない. そうしないと,研究はすぐに終わってしまう.
どれだけ先のvisionを語れるかが,この質問に対する答え方を決める.
もちろん, この質問に答えられないといけない.
小噺: 質問者「その研究やってなにがうれしいの?」
解答者「対流ぐるぐるが見えてうれしい」
・「テーブルばんばん」にはなにをやっても無駄である.ただ頭を垂れよ!
幸運を祈る.ただし,こうなるにはそれなりの積み重ねがあったこと
は頭に置いておくように. 相手も, 戯れにテーブルをたたいている
わけではない.
・教条主義に走ってはいけない
研究の法則なんてものがあるわけじゃないように, 質問に答える「必
殺法則」なんてものがあるわけじゃない. マナーを守る他は, 特にな
にもない.あの武谷氏も言っている.
小噺: 質問者「研究をやるにはどんな思想が役に立つでしょうか」
武谷三男「生半可な思想なんか持たずに研究した方がうまくいく」
山本哲生「本能にしたがってやるんや」
絶対に言ってはいけないこと
「こうすべき」という物言いはあまり確実性がないが, 「こうしてはいけ
ない」という物言いはある程度なり立つのではなかろうか?
最初のはモラルの問題,後二つはいいわけの問題.
・それぐらい常識なんだから聞くな
こういう答えをしてはとにかくいけません.
・そこは時間がなくてまだ…
時間が永久にないと何も出来ない,と言っているようなものだ
・考えたんだけど忘れました
物事は誠実に答えないといけない.この物言いがほんとうなら,
忘れていないところまでは語れるはず.
その他
クー: 「セミナーで質問されるとうまく答えられないよ―」
くま: 「バカモン!サイエンスをするにせよ、物事を整理するにせよ、
セミナーは決定的に重要なのじゃ!
セミナーで喋るのは所詮部分的なことに過ぎないのじゃが、
部分から全体をどうとらえるか?部分と全体の関係は?
これを考えるのがセミナーなのじゃ!」
質問されたときの状況によって分けます。
1:質問に対する答えが分かるとき
2:質問に対する答えが分からないとき
3:質問者が何を言ってるのか分からないとき
================================
1の場合
相手の質問に対して完全に答えることが可能な場合は、質問者や周り
の人間に対して格好をつけるチャンスです。まくし立てるようには喋ら
ず、ゆっくりと順序だてて答えましょう。時折、「こういうことは分かっ
ていますか?」と聞き返してあげると相手の理解も深まり、なにより、そ
の後に来るかもしれないきつい突っ込みを避けることができるかもしれ
ません。
しかし、的外れな質問に対してはあまり時間をかけず、「こうこう〜で
すが、この場合は関係ありません」とでも言ってかわしましょう。
================================
2の場合
どうしましょう。困りましたね。
少し考えて分かりそうであれば、時間を稼ぎましょう。
例)OHPを探すふりをしながら考える。
関連したことを喋りながら考える。
トイレに駆け込んで考える。
全然分からない場合は、、、、
話題を変えるか、素直に「分かりません」と言いましょう。その後に、
「どなたかご存じでしたら教えてください」とでも言っておくと、自分
の勉強になりますね。
分かりそうにないことに対しては無駄な時間かせぎはしないほうがいい
と思いますね。その後の時間で挽回できるかもしれないですしね。
「分からない」という勇気、大切にしたいですね。
まだまだ若いんですから。
================================
3の場合
質問の意味が分からないということ、ありますよね。
っていうか、何言ってるのか分からん質問。
これは自分の勉強不足故なのか、相手がおかしいのか、判断しにくい事
かもしれません。どっちにしても、対応方法は一つでしょう。
$自分が分かるような質問にしてもらう$
これが上手にできる先生には学生の尊敬の眼差しが注がれます。
良い例)聞こえなかったふりをして、もう一度聞く。(この段階で相手
も少し言い方を変えて、分かるようになってるかもしれない)
部分部分を取り出して確認していく
学会などの時間が限られている場合は、「あとでゆっくり」と
言ってその場は流す。
悪い例)「は?何言ってんの?」
「そんなん聞いてどうすんの?」
聞き返すことによって質問の意味が理解できたら、1、2の方法をつかっ
て乗り切りましょう。
================================
いろいろ書きましたが、相手も質問をするのには大変な勇気を必要とし
たはずです。(特に公の場であれば)
無下に扱う事なく、丁寧に対応しましょう。
<質問の答え方>
1.質問とは?
国語辞典の「大辞林」によると、
しつもん{質問}
(名) ーする
疑問点やわからない点を問いただすこと。
「先生にーする」 「ーを受ける」 「ー状」
とある。
もちろん、ここでの「質問」もこの意味の通りであるが、この字を見て
みると「質を問う」とも見ることができる。これなぞセミナーや発表の
場では、まさに当てはまるのではなかろうか!?
発表者が本当に自分の言葉で喋っているのか否か、「質問」を浴びせて
探ることができるのだ。
2.質問に答えよう!
さてさてそれでは本題に。質問といっても皆様が考察している通り、質
問には様々な状況、背景がありますね。今回は、様々な解答者に分けて
考えてみよう。
a.学生(現時点の私)
いろいろな資料や事実を並べて、強引に納得させようとする傾向が強い。
質問慣れしておらず、質問されてすぐにあたふたする。
分からない質問については、誤魔化そうとするもその術さえ知らず、沈
黙してしまう、もしくはすぐに周りに聞いてしまう。
b.高校などでよくみられる、いわゆる「サラリーマン教師」
学生の質問を嫌いがち。自分で答えられる質問にも、「こないだやった
だろ?」とか「何で分からないの?」と返すことが多い。
自分が答えられない質問をしようものなら、怒ってしまい「そんな質問、
意味無い!!」とか、穏和な人ならば「この本を読みなさい」と誤魔化す
傾向にある。
c.教育者と敬われる人々
質問者の聞きたい本質や、理解が浅いところを捉えて背景を簡潔に述べ、
本題につなげて答える。分からない問題に対してはどうなのだろうか?
あまりそういった現場に出会ったことがないので何とも言い難いのだが、
一つの手段としては、やはり率直に分からないと答え、みんなを巻き込
んでの議論に持っていくといったところだろうか。
d.政治家(おまけ)
党首討論など、国会の場での質疑応答ほど質問に対する答えが第三者に
分からない(つまり、答えになっていない)ものは無いのではなかろう
か?例えば、「前向きに検討する」という回答。普通に見れば「いい意
見ですねぇ是非採用したいと思う」と言ったとこなのだが、政治家の世
界では、「前向きに検討する」=「何もするつもりはない」と言うこと
らしい。政界には暗黙の了解が多いんですねぇ。巷で若者の言葉が乱れ
ているとよく言われてるけれど、こっちのほうが乱れていると思うのは
私だけでしょうか??
まだまだいろんな例を挙げたいけれど、大まかにはこんなところか?
今後の目標としては、今自分はの段階にいる訳で、を目指してい
こうということです。のようにはならないように努力しようと思う
のである。
もし間違えてのような人種になっていたら、その時は汚職事件など
で捕まらないように努力しなければなりませんね。そのつもりはないけ
ど、、、
以上です。
@質問の種類を見分ける。
わからん時はどういう類の質問なのかを聞いちゃう。
1 純粋に内容がわからなくて説明を求めている
2 それを踏まえた上(もしは、そのつもり)での反論
3 提案(じゃあこれやってみたらどうなるのかな)
4 段構えの人 Q 「これはこうこうだよね」
A 「はいもちろん」
Q 「ということはこうなるよね」
A 「はい、、、」
Q 「ということはこうなんじゃないの」
A 「がびーん」
セミナーなどで時間が限られている場合、1の類の質問が出ると
答える側としては非常に嬉しい。時間の調節ができるからである。
ただし、この類の質問者を装いながら、実は4の人、さらに当初1
の理由でのみ質問していた人が「、、ということはホニャホニャ
、、」と言い出したら要注意。
2に関しては、質問者は完全に敵意を持っていると思って徹底交戦の
立場をとりたい。この場合、本当に正しいことを言っているのか、
もしくは自分の研究過程の土台となっている仮定を履き違えている
のかをはっきりさせる必要がある。よってその土台を質問者本人に
復唱させてみてはどうか。そして質問者のアラを探ってみてはいか
がかしら。
3は、川田さんの「お話には続きがある」というのと少し似ているか
も知れませんが、これも発表者にとっては嬉しい類でしょう。時間
がないときは、「非常に興味深いです。検討してみたいと思います」
と流す、時間が余っている時は中身の詳細にはあまり触れず、カテゴ
リー論のように「こうすればこうなるので、すると、、」と枠組みを
話してはどうかと思う。ここであまり細かい話をすると本来の発表
内容の印象が薄れてしまうのではないだろうか
4は一番怖いです。こういう人は常に非常に単純明快な入り口から入っ
てくる。そして答える側に常にコンセンサスを求め、逆にそれが得ら
れない限り一段上らない。そう、答える側は選択枝をつねに狭められ
ながら階段を上がらされるのである。そして気づいた時には袋小路、
逃げ場はなくなっている(おそろしー)。そういう意味では2の人は
勝手に階段を万場一致なしにテケテケ一人で上ってしまっているので
しょう。こういう人には「おい戻ってこいよ」と言えばいい。
しかし、「こいつ4だな」というのは何となくわかる。そこで、如何
に階段の下の所で粘れるかが問題になるし、少しでも質問者の確認事
項に対して疑問を持てばそこで徹底交戦することが大切になるでしょ
う。さらに、4の類の質問は基盤的なものが多いかもしれない。手法
についての異論だったりがもとにあるだろう。だからある程度特定、
限定化された自分の仮定をわかってもらうチャンスでもある。
結局質問する、それに答えるというのは両者のコンセンサスを常に
図っていく過程なのではないでしょうか。だから発表者はつねに皆
と一緒に階段を登る必要がある。しかしそれだけではいけなくて、
ここから階段がわかれるけど私たちはこっちに行くよ、その理由は
こうだよと誘導しなければならない。自分の目の前の階段しか見て
いなければ当然仮定もくそもわからない、それが絶対だから。外か
ら見てないから。すると4の質問に対しては破滅的である。
セミナーとは、発表者が自分の研究を相対化する絶好の場と感じます。
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