Nabe Kai Seminar No.3
2001年度 大学院講義 第3回(7月5日)
本日の大学院講義は,「枠を突き破る問題とは」ということを参加者と
一緒に考えました.Love信一(かのA君)がゲストで覗きに来ていました.
まずは,各自1〜2分で,「何か(渡邊には解けないだろうと思う)問題
を作り,Why?(なぜそうなるか)とHow?(いかに解くか)の解答を準備す
る.」の宿題の問題部分を発表してもらいました.
その後,問題毎に分析やら本人による種明かし等を行ってもらいました.
- 技術的な問題(けいすけ,マリア外相,川田せんせNo.2)は,すぐに
解かれてしまった.数学的な構造は深いが,経験ある者には通じ
なかったようだ... けいすけ暗号問題は「n次対称群」や「パスワード
作成法」に通じるし,マリアT5問題は,W9問題(Wに直線3本加えて9個の
三角形を作る問題)や星形10問題(一筆描星形に直線2本を加えて10個
の三角形を作る問題)とトポロジカルには同等な問題で,一筆描星形
に共通の秘密があることが暴露された.さらに川田No.2問題では愛情
(i 乗)の理解が浅いと解けないことが分かり,数学の世界で
最も美しいと言われるオイラーの公式を再認識してもらった.
- 青木青年は竹馬問題を割りばし竹馬+紙粘土で実演し,たいへん
好評,もっと深めてWhy?を追求するため,おじさんと議論することとなった.
- 廣仁長老のギター問題ではハーモニクスという技法が印象に残った.
地震による地球の固有振動の励起の問題につなげて欲しい.
- カワムラーの「遠心力は真の力か見かけの力かの論争を仲裁せよ」
問題は,非常にユニークな設定で,川田せんせをして「やられた」
の感想を引き出した.ただ,「真なのか見かけなのかという
問いかけ自体が無意味」と称する,かのA君の登場で,問題の枠組が
突き破られてしまった.仲裁の想定が,暗黙の土俵を仮定していた
のだが,意図しなかった土俵が持ち出されたため,出題者は対応でき
なかった.
- 勢いを得たかのA君は,内部観測論者の本性を露わにし,川田せんせ
のNo.3問題「ファラオは病原菌に感染し得なかった」という,
ラトゥール論を擁護する弁舌をまくしたてた.「あるから見えるのか,
それとも見えるからあるのか − この論争の地平を踏越えたところに
内部観測論の世界があると.」
- なべ会の乗っ取りを恐れたなべ奉行は,「この授業の枠内では,枠を
突き破る問題を考え探求する重要性を理解してもらいたい.授業の枠
すら突き破りたいものは,内部観測論セミナーへどうぞ」という大岡
裁きにて一見落着を図ったが...
ファラオはウィルスにも感染しなかったようだが,ノアノアと福井やんには
感染したようで,欠席だったのは残念でした.
参加者への次回までの宿題は,
問題をポリッシュアップして,枠を突き破る問題に仕立てて,自分なりの
解答編も添えてMLに投稿してください.
講義に出てない方も含めて
- この講義のメーリングリスト: nabekai@eps.nagoya-u.ac.jp を作成し
ました.講義に関連した話題や宿題の講評などを流したいと思います.
現状は,講義の参加者のみですが加わりたい方は渡邊までお知らせく
ださい.
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