自立した持続可能な山間地域のデザイン


●生態系資源の豊富な山間地域にこそ、将来の持続可能な地域の可能性があります。ところが現状では深刻な過疎化により、集落消滅の瀬戸際です。そこに住む人がいなくなれば、森林資源も水資源も管理できず、活用ができません。
●そこで私たちは、山間地域の豊かな可能性を示すことで、現在の過疎化の流れを止め、山間地域をもっとも進んだ地域にするための将来デザインツールを開発しました。地域住民が将来のシナリオをさまざまに描き、それぞれにどういう将来の地域になるかシミュレーションするためのツールです。
●以下の論文にでている将来シナリオはあくまでツールの「切れ味」を試すために私たちが勝手に設定したもので、本番では住民のみなさんに考えていただくことになります。


森林資源を活用するための自立した持続可能な山間地域のデザイン(高野雅夫・高橋冬樹・西村信哉・井筒耕平、2005年)
【総論。自立した持続可能な地域とは何か、なぜ山間地域に注目するのか、地域デザインとは何か。】

持続可能な地域社会の実現に向けた地域人口シミュレーションと地域交通のためのエネルギー供給システムの構想(高橋冬樹・高野雅夫、2005年)
【地域人口シミュレーションの手法と、バイオエタノールを想定した地域交通のためのエネルギー供給シナリオ。】

将来の伐採シナリオに応じたスギ人工林の森林成長シミュレーション(西村信哉・高野雅夫、2005年)
【人工林の成長シミュレーションの手法。】

自立した持続可能な地域における熱エネルギー自給のための木質ペレット燃料供給モデルの構築〜豊根村を事例として〜(井筒耕平・高野雅夫、2005年)
【エネルギー需給の現状調査と将来シナリオ。木質ペレット供給、水力による電力供給シナリオを作成。】

自立した持続可能な地域を構築するための地域経済のデザイン-愛知県豊根村をテストケースとして-(榊原康広・高野雅夫、2007年)
【地域経済の現状推定と地域の生態系資源を最大限活用した将来の地域経済デザイン手法。】

愛知県豊根村・長野県根羽村における森林管理状況の評価に関する研究-持続可能な地域デザインのための森林シミュレーションツールの開発-(木下知久・高野雅夫、2007年)
【森林GISを駆使して、森林管理の最小単位である地番ごとの人工林の状態を把握し、将来の管理施業シナリオに応じて将来の森林の状態をシミュレーションするツール。】

自立した持続可能な山間地域のデザイン−長野県根羽村を事例として−(岩原崇人・ 高野雅夫、2008年)
【根羽村の将来人口、森林資源構成、エネルギー需給のデザインを行い、根羽村は21世紀後半に石油がなくなっても持続可能で安心した暮らしができるポテンシャルをもっていることを明らかにした。】