名前 |
加藤杏奈 |
テーマ |
持続可能なエネルギー利用における生態的条件に関する研究 |
キーワード |
ヒトと自然のかかわり、森林利用の歴史 |
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研究内容
「無機質な人工物に取り囲まれた環境から
ありのままの自然に飛び込んだとき、つくづく、自分は弱い生き物だと思う。
地球上の、どれだけ多くの命を糧に生きているのだろうと、
時折自分を省みたくなることがある。」
というコトバを私の日記の片隅に見つけました。
まだ時代背景はあまり理解していないものの、少なくとも明治以前の人々は、ご飯を作るにも、暖を取るにしても、化石燃料という高エネルギー資源の存在に頼らず、毎日大変な努力をして自分達の手でやりくりしていたのだと考えています。裏山や少し離れた奥山にある雑木林が毎日の生活を支えていたわけですから、それはそれは宝の山に見えていたことでしょう。
最近は
『素敵なイナカ生活』
『ECOな暮らし』
というイメージで昔の里山生活が捉えられがちですが、実際、農山村で生きていくということはそんな生易しいものではないと思います。そこにはヒトと自然が共存する姿ではなく、生きるために取れるものは何でも根こそぎ奪取してきた歴史があったのではないでしょうか。
戦前戦後の拡大造林・大量伐採の結果生まれた広大な面積のスギ・ヒノキ林=人工林の荒廃に目が行きがちで、それ以前に人々がどのようにして生きてきたのかという歴史はあまり注目されていないように感じています。
しかし、生きていく力と知恵は、見過ごされているこれら農山村の歴史にこそあるのではないかと考えます。
私の研究テーマは、『未来に生きる力を過去に学ぶ』ことです。明確な資料があるわけでもなく、唯一の手がかりはその土地に健在の知識人=お爺さん、お婆さんから聞かせていただく”生の声”になるのかもしれません。
それでも、最終的な目標として、生態系を大きく壊すことなく、出来る限り自然と近い場所で生きていくためのモデルが作れればと考えています。
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