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8月の誕生石:ペリドット

(この指輪は、清水銀座・内山宝石店の御好意により撮影させてもらいました。時価6万8千円!)

マントル・ペリドタイトを構成するカンラン石は、イギリスでは古くより「オリビン」の名で、アメリカでは「クリソライト」と呼ばれる宝石でもある。さらに古代では、トパーズの名前で呼ばれることが多かった黄緑色の美しいジュエリーが、「ペリドット」と名づけられたのは19世紀になってからのことであった。

古代エジプトでは、太陽神を国家のシンボルとして崇めていたことから、ペリドットのまばゆいイメージはとくに愛されていたようである。ファラオの王冠や装飾品は、黄金とペリドットで埋め尽くされていたと伝えられ、ペリドットが産出されるエジプトの島々は、外部のものがひとりとして近づけないほど、厳重に守られていたらしい。

ペリドットは、金との相性がいいことでも知られているそうである。金で細工されたペリドットを身につけていると、より絶大な効果が発揮されるといわれ、そのジンクスはやがて、ペリドットは金と共でなければ効果が半減する……に変化したんだそうな。金の台にペリドットが飾られた指輪は、戦いに勇気を与え、恐怖や汚れを取り去り、夫婦の絆を強力にするとされている。

カンラン石を宝石にする時、やはり結晶軸を気にしてカットするのだろうか?a軸はどっち?薄片にして観察してみたいものである。