諸田 智克(Tomokatsu MOROTA)

名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻・助教

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履歴

1975/12 金沢で生まれる

1998/03 金沢大学理学部地球学科・卒業

2000/03 金沢大学大学院自然科学研究科生命・地球科学専攻・修了

2003/03 金沢大学大学院自然科学研究科物質構造科学専攻・修了

2003/03 博士(理学)

職歴

2005/04〜2008/03 宇宙航空研究開発機構・宇宙航空プロジェクト研究員

2008/04〜2011/03 宇宙航空研究開発機構・学振特別研究員(PD)

2011/04〜2011/08 自然科学研究機構 国立天文台・RISE月探査プロジェクト研究員

2011/09〜  現職

2008/04〜  公立大学法人会津大学大学院・特任准教授 (非常勤講師)

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研究内容

太陽系の惑星形成・進化履歴の復元を目指し、主にリモートセンシングデータを用いた惑星物理学・惑星地質学的手法に基づいて、月惑星の表層・内部構造進化に関する研究を専門に行っています.また、地球惑星科学の発展のためには国産の新規探査データの取得と探査計画の継続が必須であると考え、月周回衛星「かぐや」、次期月探査計画SELENE-2 などの惑星探査プロジェクトにも参加し、観測運用システム開発、データ高次処理システム設計・開発などにも力を注いでいます.

以下はこれまで取り組んできた研究テーマです.

(1) 月惑星表面の年代学研究

固体天体の様々な地質イベントの年代決定とそれを時系列に並べて相互関係を解明することは、固体天体の進化履歴を理解する過程において、最も基本的な作業の一つです.これまでに画像データを用いた様々な月面地形の年代推定に基づいて、月の進化履歴復元を行ってきました.特に溶岩流の年代決定を重点的に進めており、その成果として、月では15億年前までマグマ噴出が起こっており、火成活動の継続期間が約30 億年に及ぶことを見いだしています.また、年代推定の精度向上のため、年代決定手法の開発・改良研究、精度検証にも注力しています.

(左) 月の海の年代マップ [Morota et al. 2011; Cho et al. 2012].(右) 各惑星の火成活動史 [諸田 2011].

(2) 天体衝突史の研究

地球-月系における天体衝突史を解明することは、太陽系の軌道進化の履歴を理解する上で重要です.これまでに月面のクレータの記録から、地球月系における衝突頻度の時空間変化と衝突天体の起源推定を進めてきました.具体的な成果として、月の同期回転が月面のクレータ生成頻度に地域差を起こすことを初めて観測により実証し、その地域差の程度から地球-月系における衝突天体は地球近傍小惑星からなり、彗星の寄与は小さかったこと、などを明らかにしました.また最近では、「かぐや」データを用いて太古の巨大衝突盆地の年代推定を進めており、月隕石研究者との共同研究をつうじて後期重爆撃期仮説の検証を試みています.それによって、太陽系初期の軌道進化モデルとして広く知られているモデルの検証を目指しています.

ジョルダーノブルーノクレータ (D=21km) のかぐや画像 [Morota et al. 2009].

(3) 固体天体の二分性研究

月や火星、土星衛星イアペタス等、固体天体の中には顕著な二分性構造をもつ天体が多数、存在します.二分性の成因の解明は、個々の天体の進化履歴だけでなく、比較惑星学の観点からも重要であると考えられます.これまでに主に月の地殻厚、海の火成活動の二分性に関しての研究を進めています.

(4) 惑星探査計画への参加と撮像分光機器の開発・校正研究

2004 年度より「かぐや」プロジェクトに参加し、月面撮像分光機器の電気・環境試験、データ処理システムの設計・開発、観測運用システムの設計・開発、観測計画立案などを担当してきました.さらに現在は次期月探査SELENE-2 プリプロジェクトへの搭載を目指した分光カメラチームに所属し、プロジェクトの実現に向けて科学検討を進めています.

(5) その他、共同研究など

共同研究として、「かぐや」の分光データを用いた月の始源的地殻物質の鉱物学的研究やマントル物質探査、地形・重力場データを用いた地下構造解析による巨大衝突構造の形成・変形過程の研究、月地震データを用いた天体衝突率の推定研究に取り組み等、様々なデータを用いた多角的な視点で月の進化履歴の復元を行っています。また、月だけでなく、土星衛星イアペタスのアルベド二分性の研究などの共同研究も行っており、固体天体の進化履歴復元の為に、地球惑星の表層・内部構造研究を広く展開しています.

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業績

論文リスト

外部資金リスト

賞罰

2010年度日本惑星科学会 最優秀研究者賞 (JSPS Outstanding Young Scientist Award 2010)

平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞 (The Commendation for Science and Technology by the Minister of Education, Culture, Sports, Science and Technology, The Young Scientists' Prize)

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担当講義

地球惑星科学セミナーI(分担)(3年後期/木曜1,2限)

数値解析及び演習(3年後期/木曜3,4限)

固体地球惑星物理学(分担)(2年前期/火曜4限)

研究指導

これまでの卒論・修論など

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学会活動

日本惑星科学会 会員

日本地球惑星科学連合 会員

委員会など

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連絡先

〒464-8601 名古屋市千種区不老町 理学館203-1

Tel: 052-789-3650

e-mail: morota(@)eps.nagoya-u.ac.jp

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