今回の調査の目的

船に乗ってはるばるマリアナまで・・・その目的は?


<今回の 行き先>

 左の図は Stern & Smoot (1998) という研究者の論文から借りてきた図です。私たちが調査に出かけたのは、左の図の2と3の四角の海域です。

日本の場合・・・
 東北日本では、太平洋プレートという海洋地殻が日本列島の下に沈み込んでいます。その沈み込んでいるところが日本海溝です。西南日本では、フィリピン海プレートが沈み込んでいます。この沈み込むフィリピン海プレートと日本が乗っているユーラシアプレートの間でひずみが貯まって、そのひずみが解放されるときに東海地震 や南海地震が引き起こされます。ちなみに、伊豆半島はフィリピン海プレートにのって日本に近づいてきて、今、まさに日本にぶつかっています。

 海溝から日本列島までの間を前弧域と呼びます。日本周辺では、この前弧域に、陸からの岩石の破片や太平洋プレートやフィリピン海プレートにのっていた泥などが貯まって、「付加体」という堆積物の塊を作っています。
それに対して、マリアナ付近ではその付加体が無く、代わりに「海山」が沢山あります。山は、一般に火山活動や地殻変動で作られますが・・・これらの「前弧海山」はどうやってできたのか?を探る調査です。
<前弧海 山>
 右の図は、マリアナ諸島(左端の島々)からマリアナ海溝(右の深い溝)付近までの3次元の図です。マリアナ諸島から海溝に向かって、比較的なだらかな海底が続いていますが、海溝に近づいてくるとでこぼこと沢山の山があります。これらの山が「前弧海山」と呼ばれているものです。
 これらの山は、地殻(私たちが住んでいる地表の岩石)の下のマントルという部分の岩石が水によって変質した蛇紋岩という石でできています。マントルは橄欖岩(宝石のペリドット)でできていますが、沈み込む太平洋プレートから供給された水によって変質して蛇紋岩になってしまいます。蛇紋岩は、周りの橄欖岩に比べると軽いため、地表に絞り出されて「前弧海山」ができあがると言われています。しかし、前弧海山と一口に言っても、形が違ったり、中に含まれている岩石が違ったりします。
 一緒に行った前川さんは、この前弧海山の中に「地下30km」付近で変成した「変成岩」を見つけて、Natureという世界でも有名な科学雑誌に論文を 発 表しました。

 今回は、「蛇紋岩海山のでき方」、「蛇紋岩海山に含まれる岩石片の起源」を探るための調査です。


なかなかうまく説明できませんが、だいたいの目的はお分かりいただけたでしょうか?
何となくでもご理解頂けたらよいのですが・・・・ちょっと無理ですかね?


参考文献 Stern, R.J. & Smoot, N.C. A bathymetric overview of the Mariana forearc.
The Island Arc, Vol. 7, PP. 525-540 (1998)


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