この研究は、名古屋大学博物館の吉田英一准教授との共同研究です。実質は、吉田先生が中心となり、山本が化学分析をサポートするような形になっていますが、いろいろな局面で相互に相談し合っています。山本自身も、興味を持った学生を指導するつもりでいますので、その他共同研究から外し1ページにしました。

酸化バンドとは?




 地表付近には、断層などの割れ目がたくさんあります。そんな割れ目に沿って、岩石が赤く変色しているのを見たことがありませ んか?
 上の図では、花崗岩(左)と堆積岩(右)の中の酸化バンドです。特に、右の堆積岩では、酸化バンドの上も下も岩石本来のねずみ色を示します。たぶ ん、酸化バンドは地表付近で生成し、地下水の移動に伴って地下に移動したと思われます。(一本の割れ目に沿って、酸化帯が歪められています。)
 このような酸化帯の中で元素がどのような分布をしているのか?酸化バンドの中ではどのようなメカニズムで元素分布が決められているのか?を解明したいと 思っています。

(論文多数,論文リストをご覧下さい。)

酸化バンド内の元素分布


 堆積岩中に 発達した酸化バンド中の元素分布です。一番左が割れ目で、割れ目から5cm位離れたところにもっとも鉄に飛んだ部分 (II) があります。しかも、そのII 層では、鉄のみでなく、リンも同じように富んでおり、両者の相関係数は0.9を超えます。リンは、一般に生物に濃集される元素ですので、ひょっとしたら、 生物が鉄の濃集に関与しているかもしれません。

 

バクテリアの活動?

 右の図は、鉄に富んだII層の分析電顕微鏡によるリンと鉄の分布図と、電子顕微鏡による試料表面の 写真です。
 リンと鉄の分布を見ると、リンの濃集域の周辺に鉄が濃集していることが分かりますし、電顕写真でもバクテリアがコロニーを作っている様子がはっきりと認 められます。その後、バクテリアの種の同定なども行われ、酸化バンドの形成に生物(バクテリア)が深く関わっているのではないか?と考えています。


 まだまだ、色々な露頭での調査と化学分析が必要ですし、バクテリアを実際に働かせて、鉄を濃集する 作用を確認したいと思っています。まだまだやるべきことが満載です。


このような研 究に興味のある学生の方は、hamchans(a)nagoya-u.jp までお問い合わせ下さい。化学分析を中心とした地球化学により興味のある方でしたら山本が指導をしますし、フィールドを中心とし た地質学に興味のある方でしたら吉田先生が指導教員になるのがよいと思います。