トップページ > 生態学講座
フィールド調査から,動物の行動や生態系の解明を行なう講座です.生物多様性,動物の行動,太古代における生命の進化についてフィールドリサーチを軸に教育・研究を行なっています.
「野生動物の行動を観察する」のが動物行動学の基本的手法ですが、ハイテクを使ってこれを少しだけ強化したのが、バイオロギング(Bio-logging)です。動物装着型の装置を使って動物の行動を記録し、今まで知られることのなかった、野生動物の生きざまを次々と解明しています。
たとえば、日常的に何百キロメートルも海上を飛翔する鳥。GPSバイオロギングでこうした驚きの発見が得られたあとは、なぜそのようにふるまうのか、個体の内部情報や(心拍数やホルモン、DNA)、環境情報(海洋情報、風や磁場)を総動員して考えます。その途上では、数理モデルやシミュレーションが役立つことも。知りたい情報を得るために、装置を新しくつくることもあります。つまり、バイオロギングを核として、総合格闘技的・動物行動学を実践する研究室です。
太古代(38~25億年前)の微化石やそれらが含まれる堆積岩を手掛かりに初期地球における生態系の姿とその進化を研究します。オーストラリアのピルバラ地塊や南アフリカのバルバートン山地がフィールドで,34億年前のスティルリー・プール層やクロンベルグ層、30億年まえのファレル珪岩層から見つかった大型でレンズ状の微化石(その正体は謎)を存分に研究出来るのは世界でココだけです。
現生の河川を対象として,ダムが河川水質や生態系に及ぼす影響や河床礫バイオフィルムを研究します。三重県中部を流れる一級河川の櫛田川が主なフィールドで,溶存成分や化学組成,同位体を手掛かりとして,ダム放出水に含まれる重金属のソースや挙動,バイオフィルムにおける重金属濃集とバイオミネラリゼーション,リンの挙動を明らかにします。
動物に行動記録計を装着するバイオロギング技術によって動物の詳細な行動データが得られるようになりました。それら大量のデータと、力学モデル、確率過程モデルを組み合わせ、動物がどのような移動戦略をとっているのか解明をめざします。
特に鳥の風に対する移動戦略について研究しています。風環境に応じて鳥がどのように移動経路を調節しているか、またそのような移動パターンをとる理由は何か、を力学モデルと統計モデルを組み合わせて調べています。またGPSによって記録された鳥の移動経路データから鳥のうけた風を推定する確率過程モデルの構築なども行っています。